神殿の自動ドア・聖水自動販売機~古代アレクサンドリアの超技術~

最初の自動ドア

自動ドアの原型は紀元前2世紀ごろプトレマイオス朝のアレクサンドリアで活躍した数学者ヘロンの発明考案の中で、最も知られているものの一つです。燃え上がる炎が空気の体積を膨張させ、膨張する空気が密閉容器内の水を移動させ、その水がそれまで平衡していた扉のバランスを崩して扉を開けるというものです。図に示す舞台装置のようにかがり火の燭台の中に大きな空気室を用意し、この空気室と密閉した水槽を気密を保った管でつないでおきます。さらにこの水槽から一本の管を水受け容器につなぎます。水受け容器は空の状態で、ローラーとおもりで作られた装置の一部となって平衡を保っています。ローラーの軸に扉がついていて、この平衡状態の時に扉がしまっているようにしておきます。このようにバランスのとれた状態で、燭台の炎が燃え上がらせます。

最初の自動ドア

炎を燃え上がらせると

燃え上がる炎が空気室内部の空気を加熱することにより、内部の空気は圧力が高まると同時に体積を膨張させようとします。

水槽は外部へ解放された一本の管を除いて密閉されているので、膨張しようとする空気がこの管から水を押し出します。

押し出された水は水受け容器に溜まり、おもりと平衡を保っていた容器に水の重量が加えられることにより容器とおもりの平衡は崩れて、容器が下降します。

容器が下降するとき、滑車を経由して結ばれたロープが回転軸を回転させ、軸に付けられたドアが開きます。このようにして、燃え上がる炎を使って扉を開くことができます。

最初の自動販売機

紀元前215年頃にエジプトのアレキサンドリアの寺院に置かれた聖水自販機が世界で最初の自販機と言われています。この自販機はてこの原理を応用したもので、投入された硬貨の重みで内部の受け皿が傾き、その傾きが元に戻るまで弁が開いて水が出てくるという仕組みでした。この聖水自販機の仕組みはアレキサンドリアの科学者ヘロンが著した「気体装置(Pneumatika)」に図解入りの記述がありますが、彼の発明によるものか、彼の師の考案によるものかはわかっていません。

最初の自動販売機